会長
森川教義
NORIYOSHI MORIKAWA

昭和12年生まれ、伊予三島出身。
早稲田大学第一商学部を卒業後、メーカー勤務を経て36年に入社。営業マン時代は、北四国・東京・名古屋・新潟・
長野地区を担当。
昭和58年4月1日、社長に就任。
平成28年4月会長に就任。
趣味はゴルフと夜行列車で各地を回ったころから身についた読書。

 


 
 先代の社長の口癖は「紙を売り込むのではなく、人間を売り込め」という言葉でした。私自身も20年ほど営業で全国を飛び回っていたので、その時に生まれたお客様との絆はかけがえのない財産だと痛感します。時代によってマーケットは変化していきますが、商売は最終的には人と人が対峙するもの。販路の新規開拓にしても、お客様の口コミで広がることも多々あります。今でこそ”全国的な事業展開”と言われますが、とにかく誠実に浮利を追わず、お客様第一という姿勢を貫いた結果であると思います。それと、”紙のまち”に拠点を置いているということが幸いしたのではないでしょうか?

 よく「四国が本社なのにいきなり北海道に支店を出すのは珍しいですね。」と言われます。現在のように情報化が進んでいない時代ですから、お客様に見本を持って行って、実際に見て触っていただいて、初めて商売になるわけです。

 お客様に本当に納得していただいた上で、商品をお買い上げいただく為には四国からでは限界があります。そこで一番遠い所から拠点を作っていこう・・・と考えた訳です。戦前は中国や朝鮮半島、台湾にも支店や工場を開設していたので、北海道に支店をといっても近いものだ・・・と考えて。随分大陸的な考え方でしたが・・・(笑)。

 今後は、”変わらない森川”をこれまで通り大切にしながら、”変わっていく森川”をプロデュースするのが私たちの課題です。さらに人にやさしい会社であるように努めなくてはなりませんね。ここで働く人たちの快適性にもウエイトを置いて。この会社に、一生を託したいと思って貰えれば嬉しいですね。たとえば当社の場合、原則的に現地採用・現地勤務という方針です。生まれ育った土地を大切にして欲しいですし、そこが一番暮らしやすいはず。安定した状態で仕事に取り組んでもらえるのではないでしょうか。

 コンピューターによる管理や情報交換のシステム作りも非常に大切です。その恩恵は出張の減少。私が営業していたころは、月に半分近くは旅館生活でしたが、今は月に1〜2回程度。見本をかつぎ歩く必要もありません。少しずつではありますが、確実にアメニティ企業へと変化して行きたいと考えています。

 最近、手作りブームで和紙の存在が見直されていますが、このブームは私たちが紙のことを振り返るいい契機になりました。紙漉きというのは重労働。戦前は”ちり紙”1枚から手漉きで作られていて、紙は大変な貴重品でした。この頃は、その意識も薄れがちな気がします。「紙」は「神」に通じます。紙は消耗品ですが、生かして使って頂けるように、努力していかなくてはと考えています。紙を通じてささやかですが社会のお役に立ちながら、同時に良き”企業市民”でありたいと思います。
 
 
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